金属工芸の3大技法は「彫金・鍛造・鋳造」といわれ、貴金属ジュエリー制作においてもこの全てがおこなわれます。ジュエリー分野ではこれらを「彫金・鍛金・鋳金」と称します。一般的にはこれら貴金属ジュエリーの制作技法を総称して彫金と呼ばれます。
また、キャスト製品を区別するために「彫金・鍛金」の二技法のみを指して彫金と言うこともあります。厳密にはこの三つの中の一技法を指す言葉です。鏨などを使用して金属を直接に切削したり、文様や文字を彫りこむのが本来の彫金の意味であります。彫金とは、タガネと呼ばれる道具で金属の表面に装飾を施す技法です。タガネを打って、彫るのですが、解らない人は彫刻刀で版画を作るのを想像してください。
次に、鍛金とは、金属を叩いて打って、延ばしたり、しめたりして形状を作る技法です。溶接なども鍛金に含まれます。最後に、鋳金とは、溶解した金属を型に流し込み成形する技法です。後述するロストワックス精密鋳造法は、この技法の1つです。自由な成形が可能なので、好きな形が作れますし、量産する時も便利な技術です。ジュエリー・アクセサリを1つ作るにしても、地金を叩いたり、彫ったり、鋳造したりと、彫金技術だけでなく色んな技法が使われ、またその技法一つ一つに卓越した腕が必要とされるのです。彫金・鍛金・鋳金の三技法以外には、機械プレスによる製品があります。
また近年では趣味性の高い物として銀粘土が盛んです。その他、現在ではあまり多く作られない伝統的技法として粒金技法(グラニュエーション)などがあります。ロストワックスキャスト製品にもハンドメイドが存在します。キャスト製品は「ハンドメイド」でないという見方がありますが、実際にはキャスト製品であれば全て「ハンドメイド」でないと見なすことは出来ません。個人制作家や小規模工房においては、ロストワックス法にしかできない造形を生かした一点作品もよく作られており、また本体の鋳造後に金属を直接切削する彫金を併用して制作される場合なども多いようです。
これらは量産品とは別のものとして扱われるべきでしょう。ジュエリー製作の世界において「ハンドメイド」という言葉が何を指すのかには、決まりきった傾向や定義などは存在せず、混乱が見られます。彫金・鍛金・鋳金等は、このすべてが貴金属ジュエリー製作においてなくてはならないものであり、人類の歴史の中では極めて普遍的・伝統的な工芸技法です。その意味ではその全てが重要といえるでしょう。近年では3次元CADと光造形システムにロストワックス法が併用された技術の発達も進んでいます。
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