
■特別な存在であるルビー
ルビーとサファイアは鉱物名としてはコランダムという鉱物に属します。
ルビーとサファイアは、 鉱物学的にいうと同質であるといえます。その化学組成は, Al2O3、 酸化アルミニウム、ようは陽極酸化被膜(アルマイト)です。聞きなれない言葉ですが、身の回りのいたるところに存在します。
わかりやすくいうと、アルミです。そして、アルマイトを溶かして冷やすだけでコランダムの結晶となります。
不純物が非常に少ない純粋なコランダムは無色透明で、しかも高い屈折率により強い輝きを示しますが(無色サファイア)、 宝石用途として用いられることは殆どありません。
しかし、わずか1%程度の微量のクロムを不純物として合むことにより、ルビーになるのです。この微量な不純物の量が微妙で、 これが0.1%となるとピンクになり、ルピーには届かずピンクサファイアと鑑別されます。 それが多過ぎて5%以上になると灰色のエメリーと呼ばれる灰色の工業用の研磨用途の鉱物になり、価値はなきに等しくなります。
しかし、ルビーが希少な宝石なのはそれだけではなく、不純物として含まれるクロムの存在が大きな理由です。 コランダムに適度なクロムが含まれるという事自体が稀にしか起きないのです。
何故なら、クロムは珪酸分の少ない塩基性または超塩基性と呼ばれる火成岩に含まれますが、 コランダムは一般には珪酸分の多い酸性岩質の、しかも珪酸分が多過ぎては他の鉱物になってしまうという微妙な条件の下で生成します。 即ち通常ならコランダムにクロムが含まれることはあり得ないのです。しかし、実際にはルビーは存在するのですから、 あり得ない何か特別なことが起こったことになります。まさに、ルビーはルビーであるだけで特別な存在なのです。
■ルビーであるから希少なのです
ミャンマーのルビーの年間産出量は、約4万カラットと極めて少なく、タイ・カンボジア国境がその10倍程度、 アフリカで約2万カラットと、世界中合わせても50万カラット程しかないのです。
年間産出量は、 ダイヤモンドの1500万カラット、サファイアの2000万カラット、エメラルドの300万カラットと比較すると、 これだけ有名で人気のある宝石としては桁違いの少なさです。
しかも、最高級産地のミャンマーは常に紛争の危機にさらされ供給が不安定なため、最高級のルビーはどんどん値上がってしまい、 今日の破格につながっています。
しかしながら、マダガスカルでの新たな産出により今後の動向が気になるところです。
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